第4章 変化
先輩の後ろ姿が見えなくなったところで、友達2人が私に駆け寄ってきた。
「菜月!な、何今の…!」
「バレー部の人たちだよね?」
「うん、そうだけど…」
「なんかドラマみたいー!バチバチだったね!」
2人は顔を見合わせてきゃあきゃあ騒いでいる。
「いいなー、いい男二人に取り合いされるとか。菜月モテモテじゃん。」
「ええ?!」
「さっきの3組の子、菜月が戻ってきて最初嬉しそうな顔したけど、隣の男の人見たら途端に怖い顔になったよ。」
「まあ、あの人…影山くん?だっけ。いつもだいたい怖い顔してる気がするけどねー。さっきも私、菜月が居るか聞かれた時怖かったもん。」
「影山くんは誤解されやすいタイプだからね…。」
私は、苦笑する。
「でも、背高いし顔整ってるし、私は影山くんタイプだな。かっこいいよね。」
「えー!私はどっちかって言ったら絶対さっきのもう一人の人!あれ先輩だよね?3年生?」
「あ、うん。菅原先輩って言うんだけど…すごい優しい先輩なんだ。影山くんも菅原先輩も部活で同じポジションなんだよ。」
「へー…!私バレーのこととか全然わかんないけど…全く別のタイプって感じなのに同じポジションなんだね。」
確かにそうだ。
色んなタイプのセッターがいるのは当たり前なのだけど、二人は雰囲気的に正反対だから、そう思うのは無理もない。