第4章 変化
菅原先輩は、結局私のクラスの前まで送ってくれた。
別にいつものように暗い帰り道とかではないし、遠慮したのだけど俺もこっちに用事があるからと譲らなかった。
「それじゃ、本当にありがとうございました…!」
「ああ、また部活でな!」
そう言って先輩と別れようとしたところで、先輩の視線が私の後ろに注がれて表情が止まった。
「あ…」
振り返ると、何故か私のクラスに影山くんがいた。
「影山、どうしたんだよ。お前別のクラスだったよな?」
「…菅原さんこそ、なんでこいつと一緒に…」
「俺はね、ちょっと菜月の勉強見てたから。」
いつもの爽やかな表情の菅原先輩に対して、影山くんの表情は固い。
「…そうすか。俺はこいつにノート返しに来ただけなんで。」
小さくお礼をつぶやいたあと、貸していたノートが影山くんから手渡された。
「それじゃ、失礼します。」
そう言って影山くんは自分のクラスに戻っていった。
菅原先輩と二人でそれを見送ったあと、先輩とも別れる。