第4章 変化
「本当にありがとうございました!空白の2日間が完璧に埋まりましたよ!!謝礼お支払いしたいくらいです。」
「そんな、大げさだぞ。」
「私にとってはそのくらい感動したんです。ほんとに家庭教師としてうちに来て欲しいくらい。」
「そっか、なら良かった。また分かんないとこあったら遠慮なく言いな?」
私の勉強にとっての最強の味方ができた瞬間だった。
「はい、ありがとうございます…!」
分からなかった問題が分かるようになるというのは、すごく気持ちがいい。
すっきりした気持ちで菅原先輩と空き教室を出る。
「なあ菜月。」
「はい。」
「俺、菜月専属の家庭教師になってやろうか?」
へへ、と笑う先輩の冗談を真に受けそうになる。
「じゃあ、来週からお願いしまーす!なんちゃって…」
冗談を冗談で返した。
すると。
「そんなこと言ってると、本当に家行っちゃうよ?」
菅原先輩お得意の耳打ち攻撃。
ついドキッとしてしまう。
私が大げさに体を震わせたのを見て、また先輩が笑った。
菅原先輩も意外に、結構からかい好きだと思う。
でも私は、菅原先輩のこの笑顔が見られるなら、からかわれるのも有りかな、なんて考えていたりするのだった。