第4章 変化
「んんー…!」
目が覚めたところで、脱力する。
キスされたことは本当だから、ただの妄想だけではないものの、こういう夢を見ると本当に恥ずかしくなる。
影山くんの唇の感触を、夢によってまた鮮やかに思い出してしまった。
ぼーっとしたまま、支度を整えて家を出た。
「あれ。」
いつも改札で待ち構えている影山くんが今日はいなかった。
先に行ったのかな?
辺りをキョロキョロ見回していたら、後ろから声をかけられた。
「おす。」
「ぎゃあー!!!」
「何だよ、変な声出しやがって…」
「ご、ごめん…」
「なんかあったのか?」
「ちょっと…影山くんの名誉に関わることだから口に出せません…」
「…なんだよそれ。」
影山くんはそれ以上追求してくることはなく、私はほっと胸をなでおろした。