第4章 変化
なのに。
寝る前になるとやっぱり悶々とあの時のことを考えてしまう。
影山くんが私にキスしてきたことの理由について、考えずにはいられなかった。
「うう…。」
布団を頭までかぶっても、あの時のことが頭から離れない。
そして、回想は夜特有のおかしなテンションによって妄想へと発展する。
影山くんはあの時、理由について何となくと言った。
もしかして…
影山くんてキス魔だったりするのかな。
そんなことを考えながら眠ったので、案の定その夜はおかしな夢を見た。
舞台は何故か夜の学校。
私は暗い廊下に清水先輩を見つけ、駆け寄ろうとした。
その直後、清水先輩の様子がおかしいことに気付く。
目をこらすと、清水先輩を壁に追い詰め、キスを迫る影山くんがいた。
間もなく清水先輩は捕まってしまい、濃厚なキスで骨抜きにされる。
どうしよう。どうしよう。
そう焦っているうちに、影山くんが私に気付いてこちらにやってくる。
キスの余韻を感じさせる色気をふりまきながら、手の甲で口元を拭って。
目は完全に据わっていた。
「おい。」
「は、はい…」
「キスさせろよ。全然たりねえんだよ。」
「ちょ、ちょっ待っ…」
私は後ずさりするも、清水先輩と同じように壁に追い詰められて、強引に唇を奪われたところで目覚ましがなった。