第3章 合宿
とうとう合宿最終日。
過ぎてみれば早かったような気もする。
今日は練習試合が終わり次第、バスで高校へ戻ることになっている。
そして明日からはまた学校だ。
何だか信じられなかった。
昨日のうちに荷物はまとめておいたから、もう身支度を整えて体育館に向かうだけだ。
正直、影山くんと顔を合わせるのが怖かった。
どんな顔をして会えばいいんだろう。
普段人とケンカしたり気まずくなったりすることが少ないため、こういうときにどうしたらいいのかがいまいちよく分からない。
考えていたら、悪寒が身体を走りぬけ、頭がぐらりと揺れた。
嫌な予感がした。
私は、昔から新生活が始まる春に体調を崩すことが多かった。
自分では新しい環境を楽しんでいるつもりでも、実際体の方には負担がかかっているようだ。
熱、測ってみようかな。
そう思って、救急セットの中の体温計を借りるために一旦体育館を目指した。