第3章 合宿
「まあ、チームとして面白いのもそうなんだが…俺はもっと面白いことに気付いた。」
「え?」
「烏野の連中があんなに青春ど真ん中してるとは思わなかったからな。」
「青春??」
黒尾さんの言っていることがよく分からなくて、そのままオウム返しにする。
「外から見てたらバレバレだったぜ。お前んとこのやつら、皆マネージャーにご心酔じゃねえか。」
「…ああ、そりゃあそうですよ。黒尾さんも見たでしょ?あんな美人なかなか…」
「いや、お前のことだっての。」
「え?」
黒尾さんに軽く指をさされて戸惑った。
清水先輩のことじゃないのか。
「そ、そんなこと…」
「まあ信じないならそれでもいいが…ちょっと、試してみるか?」
ちょうど、一番分かりやすそうなやつが来たし。
そう言って、黒尾さんは私の腕を引いた。
え。
突然のことで思考がついていかないまま、体が黒尾さんの方に倒れていく。
次の瞬間、私は黒尾さんに抱きしめられていた。