第3章 合宿
私ももう部屋に戻ろうと思ったところで、月島くんが再び口を開いた。
「君さ、ぼーっとしてるといつか襲われるよ。隙だらけだし。」
「え…」
「相手は影山じゃないかもしれないけどね。」
ほら、今も隙だらけ。
そう言って、月島くんは私の額にキスを落とす。
そして顔色ひとつ変えず、何事もなかったかのように去っていった。
取り残された私は、一瞬何が起きたのか理解できずにいたけれど、確かに唇の感触のあった額に手を当てて俯いた。
な、なにこれ…どういうこと…??
今夜もおかしな夢を見るのではないかと、私は一人自販機の前で頭を抱えた。
自分の気持ちを乱す懸案事項が、またひとつ増えてしまったのだった。