第3章 合宿
菅原先輩のジャージからは、かすかに先輩の匂いがするような気がして、着ていると先輩に抱きしめられているようだった。
袖も丈も長くて、やっぱり大きいんだなあと改めて思う。
普段、特別大きな部員たちの中にいるからあまり大きくは感じないけれど、先輩だって決して小さくはないのだ。
よく、ブロック低いから俺のところばっかり狙われるって嘆いているけど、私にとって菅原先輩は十分に大きい。
男の人、なんだなあ。
何だか今のことで改めて実感してしまった。
「俺だって男、なんだからな。」
菅原先輩の言葉を思い出す。
考えていたら、すごく恥ずかしくなってきた。
「…………。」
私は着替えのシャツを着て、姿見を確認した。
これからはもう少し、自分の身なりに気を配ろうかな、なんて思いながら。