第3章 合宿
部屋に戻って姿見を確認した私は呆然としていた。
濡れたシャツに張り付いた下着が盛大に透けていた。
これを菅原先輩に見られてしまったのか…!
菅原先輩が顔を赤くして目をそらしていた意味が今更わかった。
部屋に戻るまでの間だけでもジャージを貸してもらえて本当に良かったと思う。
あの後も何人かの部員とすれ違った。
大変な醜態を晒すところだった。
いや、菅原先輩にはもう晒してしまったのだけれど。
見られてしまったものは仕方ないので、私は気を取り直して着替えを始める。
下着まで外して肌が露わになったところで、くしゃみがひとつ飛び出した。
菅原先輩のジャージは着ていた時間が短かったからか、そこまで濡れはしなかった。
丁寧にハンガーにかけて部屋の隅に吊るす。
明日には乾くだろうから、明日の朝返そう。