• テキストサイズ

【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第3章 合宿




「おい、おい!着いたぞ、起きろって!!」



影山くんの声で現実に引き戻された。



ここは……そうか、バス…



そう思って体を起こそうとすると、今まで私が体を預けていたものの正体に気付く。



「か、影山くん!!!」



「やっと起きたのかよ…」



私は盛大に影山くんにもたれて眠っていたらしい。
しかも、肩どころではなく、胸のあたりまでずれ込んで。



「ご、ごめん!!重かったよね。」



「別に…俺も途中まで寝てたし。起きたらお前が思いっきり倒れてきてたからビビったけどな」



影山くんが目を伏せて言う。
それを聞いて、斜め前に座っていた田中先輩が、からかい顔をこちらに向けた。



「おうおうおう、お前ら朝から見せつけてくれちゃってよおー。何が起きたらビビっただ影山!お前も寝てる間、幸せそうにマネージャーに寄りかかってたくせに!!そこかわれ、この野郎!」



「「えっ……//」」


田中先輩の言葉に二人で赤くなる。
そして、近くにいた山口くんが私達にとどめをさした。


「二人で仲良く寄り添って寝てたよ。」



何だって1日目の出発の時点でこんなことに。
余計意識してしまう事態を自分で引き起こしてしまった。



バスから降りたあと、赤くなった顔はそのままに、影山くんが声をかけてきた。



「菜月、お前他のやつの隣になったとき絶対寝るんじゃねえぞ。」



「え、うん。」



先程の事態を受けて、影山くんの言う通り極力頑張らねばと思ったけど、帰りのバスでも絶対疲れて寝てしまう気が今からするのだった。




/ 767ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp