第3章 合宿
あっという間にカレンダーは5月に突入し、とうとう今日から合宿である。
昨日は緊張してよく眠れなかった。
大きなあくびが飛び出す口元を、慌てて両手で覆った。
先日の練習試合の時と同様、バスでの移動となった。
成り行きで、席は影山くんの隣。
奥の席に座った影山くんは、窓枠に肘をつき、外を眺めていた。
彼も寝不足なのか、挨拶もそこそこにいつも以上に喋らない。
私も一眠りしたかったので、今はそれがありがたかった。
バスの揺れも手伝って、だんだん瞼が重くなっていく…。
温かくて心地よくて、私は深い眠りへと誘われる。