第1章 朝
「Ki」
ぐっと肩を掴まれ抗うまもなくベッドに倒れた後 , 唇にふにっと柔らかいモノを感じた口の中に何かが入ってきてまるで求めるように掻き回し少し答えるように動かすと甘く吐息が漏れた ‥
きっとそれは , ディープキスとか言うやつ
30にもなってやったことがないわけが無い
けどこんなふうに求められることは初めてで戸惑って驚いて遠ざけた
申し訳なさそうにでもどこか寂しげな顔をした藤ヶ谷が部屋を去っていった
せきが切れたように涙が流れてきた ,
子供のように大声を上げて目が腫れるまで泣き腫らした ,
帰れなんて嘘だったのに ,
キスさせれて同じ気持ちなんだって嬉しかったのに ,
余りにも愛が大きくて怖くて逃げた ,
今電話したらきっとあいつの事だから戻って来る ,
けどそれじゃ甘えてるだけになる , そう思うとどうしてもためらってしまった
明日は雑誌の撮影 ‥ きっと避けられて勝手に傷付いてどうしようもないくらい虚しくるんだろうな
こんな俺の気持ちと裏腹に窓の外はいい天気で小鳥が歌を口づさんでいた