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藤堂家の事情【R18】

第2章 暗黙のルール


テーブルの上にはローストビーフやステーキ、サラダ、スープが並べられる

「すごい・・・豪華だね」

「ああ、要が作ってくれた」

「要さんが・・・?」

「あぁ・・・ほら、これはお前にだろう」

そう言って差し出されたサラダは食べやすいように、生春巻きの皮で包んである

はむっと頬張るときちんと味付けがしてある

「おいしいっ・・」

満面の笑顔になった樹里奈を見て源が少し寂しそうに微笑む

「要は・・・お前の好きな物をよく知ってるんだな」

「うん・・・すごくよくしてもらってる」

「そっか・・・」

源は血も滴るようなレアなステーキを頬張る

口元に肉汁と共に滴る血をぐいっと手で拭う

「お前にはこっちの方が食べやすいだろう」

源はローストビーフを皿に取り分けてやる

「ありがとう」

とろりとかけられたソースは絶妙で食が進む

「ほら、パンも食べろ」

「そんなにたくさん食べられないってば・・・源さん食べて」

「俺は肉があればいいんだよ」

ガツガツと肉の皿をどんどん平らげる

「早く食べないと食っちまうぞ」

「足りないの?じゃあこれも・・・」

フォークに差したローストビーフを源の口元へ差し出す

「違ぇよ・・・樹里奈を食う・・・」

樹里奈の手首を掴むと、ローストビーフを頬張り、樹里奈の指先も口に含む

ぬちゃり、れろり・・と源の舌が樹里奈の指先を這い、全ての指を順に咥えていく

「んっ・・源さ・・・っ・・・」

樹里奈は熱い吐息を漏らしながら、舐められていない手でドレスをきゅっと握る

「どうした?・・・すごく、うまいぜ・・・」

源はいつの間にか樹里奈のすぐ横に椅子を寄せる

「ま、まだ・・・食事の・・・途中、だからっ・・・」

「そうなのか・・・?でもお前の顔も・・・それどころじゃないって顔だ・・・」

源は満足そうに樹里奈の腰を引き寄せると、その手で胸をやわやわと揉み、もう一方の手はドレスをかきあげ太腿へと手を這わせた

「・・・要がせっかく作ってくれたんだ・・・
残さず全部食べろよ」

樹里奈の耳元で低い声で囁く

「んっ・・・」

樹里奈はそれだけで、躰を震わせる

「・・・食べて」

源に言われるがまま、生春巻きに手を伸ばす

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