第3章 契り
要が作ってくれた中華粥は美味しそうな湯気をたてて、樹里奈の前に綺麗に並べられていた
「ん~っ、おいしそうっ」
樹里奈はレンゲでひと掬いすると、ふ~、ふ~と冷まして口に含む
はふはふ、と口に入れると、ホタテなどの美味しいだしがきいていてものすごくおいしい
「ん~っ、幸せっ」
「樹里奈ちゃん、本当に幸せそうに食べるわねぇ」
キッチンを覗きにきた梅もにこにこと樹里奈の様子を見守る
「要くんもこれだけおいしそうに食べてくれれば、作り甲斐があるわね」
「そうれすかね・・・ふ~・・・あっつい、でもおいし~っ」
「じゃあ私は先にお掃除始めているわね」
「あ、すみませんっ、梅さん・・・私も・・」
「い~のよ、樹里奈ちゃんは他の仕事してきたばかりでしょ?
パートのメイドさんもいるんだし、ゆっくり食べてなさい」
「すみません・・・」
「樹里奈ちゃん・・・」
「は、はいっ」
「残ってくれてありがとうね・・・
辛い事もあるかもしれないけれど・・・皆をよろしくね」
「はいっ」
梅はニッコリ笑うとキッチンを出て行った
「ん~・・・おいしかったぁ」
樹里奈は食べた食器を手早く片付ける
「・・・片付けなんかほっときゃいいのに」
いつの間にか要が樹里奈の背後にいて、樹里奈をぎゅっと抱きしめた
「要さんっ・・」
「お前、忘れてたのか?」
「小部屋に行くことですか?」
「そうだ」
「覚えてましたよ」
「だったら早く来い」
ちゅっちゅ、と樹里奈に口づけする
「んっ・・・要さっ・・」
「んまかったか?」
「はい、とってもおいしかっ・・んんっ」
言い終わらないうちに、要の唇が樹里奈を塞ぐ
「俺が作ったんだから当然だろ」
「はい・・・」
要は樹里奈の手を引くと小部屋に向かう
「あ、あのっ・・・」
「なんだ?」
「私、梅さんのお手伝いを・・・っ」
「ああ、だったら手早く終わらせようか?」
要は樹里奈をぐっと引き寄せると、舌を入れながら樹里奈をキッチンのテーブルに押し倒す
「んんっ・・・要さっ・・・」
「小部屋より、こっちの方が興奮するな・・・」
要がニヤリと笑う