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藤堂家の事情【R18】

第2章 暗黙のルール


「・・俺が暮らしてる部屋は・・・屋敷の地下にあるが、そこに行くか?」

「いいの?」

「小汚いとこだが・・・ここよりはマシだ・・・」

源はシーツをくるくる纏わせる

「ちょ・・・源さ・・・」

「これなら庭を通過する時裸じゃないから」

「でも歩けないし・・・」

「俺が抱きかかえて行くんだから必要ない」

「でも・・・」

「今日はずっと一緒にいられるか?」

「・・・多分、大丈夫だと思う・・・けど」

「じゃあ一緒にいよう・・」

ちゅっと源はキスをする

そして樹里奈を抱き上げると、庭を走り抜ける

あっという間に庭に繋がるドアへとたどり着く

「ここ?」

「ここから入るんだ」

ギィ・・と音をたてて木戸は開き、石の階段をおりると3メートルくらいの石の廊下を突きあたりまで進む

「くしゅんっ・・・」

「ああ、地下だし石畳は冷えるよな・・・もう着いたから」

ギィ・・と木でできた重々しいドアを開けると、10畳ほどの部屋があった

源は樹里奈をおろし、ランプに火を灯す

樹里奈を毛布で包むと、一人掛けの長椅子へと座らせる

「待ってろ、暖炉つけるから・・・」

上の方に庭が見える小さな小窓以外は、全て石で囲われていた。
調度品がなければ、まるで牢屋のようだった


部屋の隅には大きめのベットとテーブルに椅子、小さなキッチンが備え付けられていた

「・・・奥に風呂もある・・・躰が冷えたなら入るか?」

「ううん、大丈夫・・・」

「そか・・・驚いただろう?オレの部屋・・・」

「ん・・・源さん・・・どうしてここに住んでるの?」

「それは・・・お前が契約書にサインしたら・・・いずれ話すよ」

「ん、わかった・・・」

源の辛そうな顔を見ていられなくて思わず抱きしめる

「・・・誘惑してんのか?」

「違うよっ」

「けっこう快適だぜ、ここ・・・
まあ、そんなところでも住めば都ってな・・・」

「・・・暖炉、あったかいね」

樹里奈はずるずると毛布を引きずりながら暖炉のそばに移動する

ふかふかの毛長の絨毯が裸足の足に気持ちいい

「気に入ってもらえてよかった」

源も樹里奈を後ろから抱きしめるように座り込む


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