第2章 暗黙のルール
次の日、目が覚めたのは昼過ぎだった
軽めのブランチが部屋には運び込まれていた
樹里奈はそれを食べながら契約書を読む
契約をすればご主人様から許可が出るまでこの敷地から出る事は出来なくなる
みんなの話を繋ぎ合わせると、それはここに囚われるという事になるのかもしれない
ただ何不自由なく暮らしていける事も保障されている
「私は・・・・」
コンコンとノックされ出てみるとドアの外にいたのは要だった
「要さん?どうした・・の?」
要は部屋に入って来るなり樹里奈を抱きしめる
「わりぃ・・・なんかお前が出て行っちまう気がして・・・
いてもたってもいられなくなった」
「要さん・・・」
「・・と悪い、もしかして起きたばっか・・だったか?」
「うん・・・そうなの・・」
抱きしめて感じた樹里奈の体温に要の躰が熱くなる
「要さ・・・」
「このままじゃ・・ここでこのまま襲いたくなるな・・・
お前、その恰好じゃ、犯してくださいって言ってるようなもんだぞ」
「あっ・・・」
樹里奈は自分の恰好を見てようやく恥かしくなる
薄いシルク生地のキャミワンピを素肌に着ているだけだったので、樹里奈の躰のラインは肌に吸い付くようにはっきりと浮かび上がらせていた
「あ、これは・・黒羽さんが・・・」
「黒羽が着せたのか・・・昨日は大変な日だったな・・・」
「うん・・・」
要は指を首筋から胸のふくらみへと滑らせ、固く尖ったそれを指で優しく弾く
「んぁっ・・・要さ・・・っ・・」
「後で昨日の小部屋に来い」
要はそれだけ囁くと部屋を出て行く
要に弾かれた乳首がじんじんと熱い
樹里奈は契約書を机の引き出しにしまうと、用意されていたメイド服に着替えた
ピリリ・・と携帯が鳴る
「はい?」
「起きましたか?」
「すみません、遅くて・・・」
「いえ、昨日は身体をかなり酷使したでしょうから、大丈夫ですよ
これから何か予定はありますか?」
「何かお仕事でしょうか?」
「いえ・・・」
「この後・・・要さんに呼ばれています」
「そうですか・・ではそれが終わった後私の所へ来てもらえますか?」
「わかりました」
「では・・」
黒羽はいう事だけ言うと電話を切った