第2章 暗黙のルール
「・・・今度はもっと優しく、する・・・今度があればだが・・・」
「要さん?」
「俺がこんな事言う権利ないのはわかってる・・・だけど・・・契約書にサインしてくれ・・・
俺達と一緒に・・・この屋敷に囚われてくれ・・」
「・・・要さん?それってどうゆう・・・?」
「なんでもない・・もう行け」
要は樹里奈から離れると自分もキッチンへと戻っていった
樹里奈が理人の部屋を訪れると、理人はおらず、黒羽がベットメイクをしていた
「・・・おや、やっとお戻りですか?」
「すみません」
「いえ・・・謝る事はありません。今日は今までと違って大変だったでしょう・・・いかがでしたか?」
「はい・・・えと・・・」
「まあ、まだこれからあなたには夜伽の仕事がありますが・・・」
「夜伽・・・」
「そうです。さ、あなたの部屋にご案内します」
「・・・私の部屋・・ですか?」
「そうです。今までの部屋では不便でしょうから・・」
そう言って黒羽が案内した部屋はとても広く、ベットが置かれており、ソファー、テーブル、小さな冷蔵庫まである
「こちらはバスルームです。24時間入れるようにしておきますよ。あなたのメイドがこの部屋を完璧な状態にしておいてくれるでしょう」
「ちょ、ちょっと待ってください。メイドの私にメイドがつくんですか?」
「ええ、まあ。あなたにはあなたのメイドの仕事を全うしていただく為に準備しました」
「私の・・・仕事、ですか?」
「そうです。あなたのこの屋敷でのメイドの仕事は、皆がこの屋敷の仕事をする為にサポートする事です」
「サポート」
「今日一日、立派にサポートされたでしょう?皆満足しています」
「・・・・」
「おや、契約するのをおやめになりたくなりましたか?」
「・・・それは」
「あなたには素質があります。ただ・・・それが皆の輪を乱す原因にならないか多少心配な点もありますが・・・」
黒羽はクローゼットを開けるとベビードールのような下着を取り出す
「本日はこちらでお願いします。その上に、このローブを羽織ってご主人様の部屋にいらしてください」
「はい」
「あ、こちらに通路がございます」