第1章 入れ替わるメイドの事情
理人の部屋・・・___________
「また新しいメイドが来たのか?」
「ええ、そのようですね」
「どうせ続かない・・・」
「そうかもしれませんね」
黒刃は当然だと言うように給仕を続ける
「大体、この家に応募してくる女なんてみんな金目当てに決まってる」
「そうでしょうね」
「だったらなぜまた新しくメイドをいれるんだ?」
「それは梅さん一人じゃあ屋敷の手が回らないからですよ」
「他にもいるだろう?」
「パートさんですから。住み込みで入ってくれるメイドじゃなければ色々と面倒なんですよ」
「・・・そうだな」
「今度のメイドがダメな時は海外から呼び寄せるのはどうですか?
藤堂家の暗黙のルールは日本では馴染みがなさすぎるんですよ」
「そうかもしれないな・・・それにしても毎回、変な女が多すぎるんじゃないのか?」
「住み込みでこの条件で働く女なんてみんなそれなりの事情があったりするものです」
「・・・今回もか?」
「・・・・」
「どうした?」
「それは会ってみればお分かりになります」
・・・・・____________
「東 樹里奈です。よろしくお願いします」
樹里奈が部屋から出て行く
「いかがでしたか?」
「・・・・」
「理人さま?」
「あ、ああ、続くといいな」
「は?」
「あ?なんだよ?」
「いえ、めずらしく声をおかけになったので・・・」
「べ、別に他意はない」
「そうですかー」
「・・・・・」
「・・・・・」
「なんだ?言いたい事があるなら言えばいいだろう?」
「いえ、続くといいですね」
「・・・ああ」
こうして樹里奈のメイド生活が始まった