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藤堂家の事情【R18】

第2章 暗黙のルール


「それではこれはあなたの携帯です」

「あ、はい」

「この携帯で呼び出すのは私か理人様になります」

「わかりました」

「この呼出には必ず早急にでるようにしてください」

「例え何かの途中、でもです」

「はい」

「何か質問はありますか?」

「あ、あの・・・」

「はい?」

「あ、暗黙のルールの件は?」

「ああ、それですか・・・」

「それはこれから始まる・・・」

「これから・・・?」

「そうです。今日一過ごせば暗黙のルールの意味がお分かりになるでしょう」

「・・・はい」

「今日からしばらくはあなたにとって大変な日になるかもしれません」

「・・・・」

「樹里奈、期待している」

「は、はい・・・」



樹里奈は廊下に出ると、今日から始まる生活に不安を感じていた

キッチンに顔を出す

「おはようございます、要さん」

「ああ」

「あの・・・梅さんは?」

「今日から休暇をとってる・・・一週間」

「・・・そうですか」

「大丈夫か?」

要が心配そうに樹里奈の頬に手を当てる

「・・・要さん?」

「要っ、まだ駄目だろっ」

「庵くん・・」

「・・・わかってる」

要はそう言って朝食の準備に戻る


「ぅはよっ、樹里奈」

「あ、あの、まだって・・?」

「なんでもねぇよ、お前朝食ったのか?」

「い、いえ・・・まだですけど・・・」

「なら用意してやるから食べろよ」

「え、でもまだ・・・」

「今日からは食事の給仕はパートのメイドがしてくれるんだぜ?黒刃から聞いてねぇのか?」

「あ・・・」

そういえば今日からは今までとは違うと言われていた

「で、でもいいのかな・・?要さんも庵くんもまだ食べてないんでしょう?」

「い~んだよ、それに明日になれば・・」

「え?」

「いや、とにかくさっさと食べろ」

「う、うん」

庵と要が樹里奈の食事を用意してくれる

「あ、あたし手伝うよ?」

「い~から、い~から・・・ほら、食えよ」

「・・・熱いから気をつけろよ」

「・・・なんか申し訳ないよぉ」

「いいんだよ、これくらい」

庵はボソリと呟く
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