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名探偵に恋をして

第2章 名探偵の好きな人




目の前で新一が本を読んでいた。


真剣に目を走らせちゃって。

……カッコイイなぁ、ホント。


それ、どうせ推理物なんでしょ。



この後の展開、わかってるよ。


新一は早い段階で犯人がわかっちゃって

「やっぱりな。オレの推理通りだったぜ」

って、本を読み終えて言うの。


「新一のドヤ顔うざー」

「推理小説読んで眠そうにするヤツに言われても何とも思わねーよ」


そんな嫌味言いあって


笑うんだ。


















…という夢かよ。


あーあ。

せっかく新一の夢見るんなら、こんな日常の一コマじゃなくてさぁ。

ラブラブ〜な幸せな夢にしてほしいわ。




…違うか。

日常の何でもないことが

幸せだったんだね。








枕元に置いていた携帯を手に取る。

もう5時限目だ。結構寝てたな。




新一、何してるんだろ。

小学校、しかも一年生なら、もう授業も終わってるかな。







メールを開いて


『会いたい』


それだけ書いて送信。




今まではどんなに会いたくても遠くにいるもんだと思って諦めてたけど

今は会える。

どんな姿でも、新一は新一だから。



会いたい、なんて。

言ったことなかったのに。

しばらく会えない間に大胆になったもんだ。





そんな告白じみた私のメールに対し、
新一からの返事はこうだ。


『お前授業中だろ?勉強に集中しろ』


色気ねーなオイ。真面目か!

いや、真面目な男なんだけどさぁ。




『体調崩して保健室なう。新一の顔見れば治る気がするw』

とか、ツイート的に返事すれば

今度はすぐに彼から返事が来た。



『大丈夫か?熱はあるのか?苦しくないか?』




どんなにキザでも

クール装ってても

とっても優しくて


そんなあなただから


あなたに好きな人がいるってわかっていても


私はあなたを諦められないの。




『この姿で高校入れるかわからないけど、とりあえず行ってやるから大人しくしてろよ』




新一が、私の為にわざわざ来てくれる。

小学生の姿じゃ相当気まずいはずなのに。









ーーーごめんね、蘭ちゃん。



私今、物凄い優越感に浸ってる。



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