第7章 理性の切れる5秒前*
すとん、
私は布団の上に座った。
カ「……(ついに来てしまった…二階に)」
雪「んっと、……隣座って?」
カ「お、おう」
何故だろう。二階に行こう。
あっさりと言えたその言葉に自分で驚く。
そしてこうやって隣りに座ってほしい。という思いも
軽々と口に出せることに驚いた。
カ「……と、どうしたんだ?」
雪「……え?」
カ「いや……何だか、積極的だな…と思ってな」
雪「ん~、そうかな」
カラ松は困惑しながら照れている。
雪は首を傾げ、眉を八の字にした。
雪「ううん…安心できるから……かな?」
カ「え?」
雪「実は自分でもさっきから、わかんなくて。」
カ「…。」
こくこく、とカラ松は黙って聞いてくれた。
雪「何だろうなぁ、カラ松って安心できる香りがする。」
カ「安心できる香り?」
カラ松は自分の手をくんくんと匂いでみる。
……疑問は解けてないみたいだが。
雪「何かねぇ、母性とは言わないけど……心がほわわんって」
カ「ほわわん……っ///」
カラ松は頑張って説明しようと手でふわふわとする感じをジェスチャーする姿が可愛くて、目をそらした。
雪「どーしたの?」
カ「いや…何でもない」
雪「ふぅん、…ってもう12時……」
カ「あ……」
気付くともう日が過ぎていた。
雪「カラ松っていつから私が起きるの待ってた?」
カ「…11時くらいだな」
雪「…一時間もずっと待ってたの!?」
カ「あ、ああ……まぁ」
喧嘩して私を守るのに疲れているハズなのに……
寝ないでずっと私を……
雪「…ごめん。こんな話合いより早く寝たいよね…」
カ「えっ、いや!そんな!」
カラ松は酷く慌てた。少し大きな声に雪はびくりとする。
雪「__!…?」
カ「あ、えっと…」
我を取り戻したかのようにカラ松は深呼吸した。
カ「……別にそんな雪ちゃんの話が面倒だとか思ってない…
ただ…少し緊張して…な…」
雪「緊張?」
カ「……女の子と寝るなんて、初めてだから///」
雪「あ、ああ……成程」
そうか、私…演技とかで慣れちゃってるからなぁ。
カ「女の子と、話したりとか殆どない。痛いとか気持ち悪いとか、言われてきたからな……
何をしたらそう言われないかもわからない。」
雪「……」
カ「はは…こんな俺だからしょうがないよな……痛いだろうし」
哀しげに笑うカラ松。