第7章 理性の切れる5秒前*
これ以上もう夢を見たくない。
雪「これ以上はもうやめて……」
あの日からだ。私がこんなにも辛くなったのは。
だんだん、皆消えてしまうんだ。
雪「師匠が消えてから辛いよ……」
お願いだから、もうこれ以上、
雪「独りにしないで……」
瞬間、ガラスが割れるように、周りの人が消えた。
マネージャーも、にゃーちゃんも、
ファンの人たちも、黒の奴らも、
__私の言葉を無視するかのように。
ねえ神様、少しだけでいいから。
本当の幸せを下さい。
神様は私に美貌を与えたらしいけれど、
そんなのいいよもう。
美貌だけじゃ本当の幸せは得れないよ__
へたりこんで、崩れるように座って、
雪はしくしくと泣いた。
ボロボロと落ちる涙は跡にならずに消えていく。
もう、皆消えちゃうんだ。
私は独りなんだ。
そう思い諦めかけた時だった。
?「(俺)僕が……いるよ」
雪「__え?」
顔をあげた。
そこには見慣れた人がいた。
にっこり微笑んで、
?「(俺)僕がいるよ」
もう一度言ってくれた。
私何言ってたんだろう。
ちゃんと今、仲間がいるじゃないか。
ええっと、…松がたしか名前についてたっけ。
でも何だっけ、六人いたよね。
ねぇ、貴方は、
雪「貴方は__何松なの?」
おカチ一十ト「「「「「「(俺)僕は……」」」」」」
六人全員の声が聞こえる。
俺と僕がさっきから混じって誰かわかんないよ。
そう笑いながら私は彼のだしてくれた手を掴んだ。
瞬間、光が放たれる。
眩しくて彼の顔がみえない。
さっきまで暗くて見えなかったのに。
極端すぎやしないか。私の夢。
雪「ねえ待って!」
?「……」
雪「貴方は一体__」
何松なの?
もう一度聞こうとしたら、世界は真っ白になった。