第1章 出会い
?「……見ないで下さい」
お「あ、ごめん」
おそ松は手をパッと離した
彼女は自身の黒服のフードを深く被った
若干顔が赤いのが見えた
照れている彼女の姿に六つ子達は
少し胸が跳ねる
チ「と、とりあえず……家にくる?
怪我がその……アレだし」
?「そんな、私……」
一「だからといって歩けんの」
?「勿論……!__ぐっ!」
女の子は壁に手をつき立とうとした
だが動きがぎこちない
ト「__無理しないで!」
?「大丈夫!大丈……わ?!」
転けそうになった彼女を
十四松が支えそのまま抱えた
?「あ、ありがと__って、ええ?!」
十「痛そうな君を見てれないよ
僕達に任せて!」
彼女は暫く呆然とし、諦めたのか俯いて
ポツポツと話し始めた
?「我が儘をいっていいなら……あまり人目にあたらないようにしてほしい」
チ「!それは……」
?「理由は後で話すから……どうしてもそうして欲しい」
六つ子達は状況を察し顔を合わせ頷き合った
お「よし!一松、人目つかなさそうな道、わかる?」
一「了解__ついてきて」
一松は真面目な顔つきで頷き先頭に立った
皆ふざけてはいられないと、その後ろを歩く
十「あ、大丈夫?痛いとかないー?」
?「大丈夫、でもごめんなさい」
ト「心配しないで!」
十「それより無事で良かった!」
?「!……ありがとう」
彼女は緊張が緩んだのか
少し柔らかい声になった
___これが僕らとの奇妙な出会いの始まりだった
…
一「今ならいける……走って」
お「了解!」
人が少なくなったのを見計らい家に駆け込んだ
彼女は遠慮して玄関に留まろうとしたが
半ば無理やり中に入れた
とりあえず座らせて、
ガーゼなどで応急措置をした
(こういう時スマホの有り難さがわかるよな)
…
ト「そろそろ聞いていいかな……君のこと」
応急処置も終え皆ちゃぶ台を取り囲む
彼女は決心したように
深呼吸を1度し話し始めた
?「勿論、約束通り話します
まずは……助けてくれてありがとう」
ぺこりと彼女は丁寧に礼をした
六つ子達は少し照れ臭そうに笑む
?「助けて頂いた身で頼んでばかりで悪いけれど
……今からいうことは誰にも言わないで欲しい」