第3章 俺が教えてあげようか?
そして果実のほどよい甘味と酸味が……!ああなんて美味しいんだろう……初めてだ
ト「おいしい?」
雪「う、うん……!っ〜!」
机の下で足をバタバタさせながら雪は美味しさに浸りきっていた。そんな彼女にトド松はバレないようにニヤケを抑えながら平常心を保った
ト「(あぁっ!かわいいなぁ!)良かった〜♡」
雪「これ本当に美味しいよありがとうトド松!」
雪は目を輝かせながらとびきりの笑顔をみせた
ああなんてかわいいんだろう
ト「どういたしまして♡僕もたーべよっ!……んっ、美味しい〜!」
雪「……こんなに美味しいの初めて」
テレビの企画で食べたどののスイーツよりも美味しいと感じる程だ、彼の情報力は侮れなさそうだ
トド松は暫く美味しそうに頬張る雪をみてから1口分を切り分けた
ト「ねぇ、雪ちゃん」
大きめな1口を頬張りながら雪はそのまま受け答える
雪「なに?」
ト「食べさせあいっこしよう?」
ゴクリと飲み込み雪はぽかんとした顔をした
雪「……食べさせ」
ふと恋愛ドラマのお芝居を思い出す、あぁよくある奴だ
ト「1回してみたくってダメ……かな?」
このお店を教えてくれたのも現状匿ってくれてる恩もあるし特に断る理由もないので微笑み頷いた
雪「いいよ、しよっか」
ト「ほんと!じゃあ先に僕にして〜!」
可愛らしいな、と思いながら1口分を切り分けた
雪「これくらい?」
ト「うん♪」
雪は手馴れたようにトド松の口元に運んだ
雪「はいあーんっ……と」
ト「あ〜……んむっ!おいしい〜!」
雪「ええ?食べてるの一緒だよ〜?」
ト「雪ちゃんに食べさせて貰ったからもっと美味しいの!」
納得いかなさそうに雪は首を傾げた。そんな雪をほってトド松も1口分を切り分ける
ト「よし、雪ちゃんはいっあ〜ん♪」
雪「うん、あー……」
瞼を閉じた彼女にキュンとする、信じて貰えてるのが嬉しい。つい、あぁこの口にキスをしたい、と思ってしまった
ト「……っ!あ、あ〜ん」
雪「……ん、美味しい!?」
ト「言った通りでしょ?」
雪「うん……初めて」
今までお芝居でしたことあったのに、なんでこんなに美味しく……?魔法でも彼はかけたのかな、なわけないか
ト「(さっきの顔、ほんとキスしたくなる……)っはぁ……」
雪「あ、さっきの店員さん可愛かったよね、トド松も一目惚れ?」
ト「も~バカ!」