第3章 俺が教えてあげようか?
雪「私、演技なんかしてない」
一松はなおもしゃべり続ける
一「嘘だ、演技した時アンタずっと反吐が出そうなことしか言わない、反吐が出そうな顔しかしないじゃん。」
ダメだ本当にバレてる。初めて会った……どうしよう怖い
雪「何で……気づいてっ」
一「さあね、ゴミみたいな俺でも気づけるけど」
雪は腕に爪をたてた
一「それに俺と話す時絶対するじゃん、そんなに俺が嫌い?まぁ燃えないゴミのような俺だけどさ……」
雪「っ『もうやめてよ一松〜』」
一「じゃあ何で演技してんの?」
雪「っ……!」
違う、嫌ってるんじゃなくて
一「あのさ、一つだけ言っていい」
雪「なに……?__?!」
一松は突然雪の方に振り向いた 。まるで猫のような彼の目が月明かりで見えた
一「俺達のこと凄く怖がってるけど」
雪「……」
一「……アンタが今まで出会ってきたような奴と一緒にしないで」
雪「!」
本当に、普段とはかけ離れた彼の綺麗な瞳は、暫く雪を見つめ数秒後、また背を向けた
一「……それに散々外で演技してるんでしょ」
雪「正直、そう」
一「家でくらい……安心して休んだら」
雪「!」
そんなに……心配してくれるんだ。今まできつい言い方だったけどそれは私のことを考えて……
雪「……ありがとう一松」
一「別に」
何だか、本当の一松がわかったらもっと知りたくなってきた
雪「私、一松に嫌われてると思ってたの」
一「は?!」
一松はまた振り向く
一「別にアンタのこと嫌ってたわけじゃ……っ!」
雪「へっ」
勢いで一松は雪の手を掴んだ、雪は思わず驚くその後一松は気付き顔を赤くした
一「っ!ごめ__」
離れかけた手を雪は掴んだ、一松はえ と思わず声を漏らした
…
な、何で!?突然コイツどうして__
一松は平然を保とうと見栄を張った
一「と、突然何」
雪「そんなまでして否定するとは思わなかった、嬉しい」
一「……そ、そう」
素の笑顔のほうが可愛いじゃん、とふと思いハッとした一松はすぐに顔を隠した
雪「ごめんね、あんなに貴方にも皆にも心配して貰ってるのに私って最低だね」
一「別に」
いや普通アンタが怖がってもおかしくないでしょ、普通助けてくれた人とはいえ一緒に寝ろなんて、俺でもわかる
こっちが守るためとはいえアンタは過去のトラウマがあるのに
最低なのは俺達もだ