第17章 僕は辛いですか
雪「さっきの川沿い……たしかここら辺で」
雪は夕暮れで赤色にそまる川に目を向けながら川沿いまできた
もうさっきまでいた親子はいない
そこには静けさが際立つ川の音と虫の声のみだ
雪「……時間があんまり無い、心配される前に早く見つけないと」
草を掻き分けてみたり何度も振り向いてみたりしたが見つかる気配がない。
このままじゃ……!
「……あの」
雪「!?」
驚いてバッと振り向くと、おどおどとした女性がいた
声の主は彼女か。
気を取り直して雪は演技をした
雪「……『どうされましたか?』」
「突然ごめんなさい!ええと……」
恥ずかしそうに彼女は俯いてみたり目を逸らしてみたりする。
暫くして、彼女は少し大きな声で問いかけてきた
「じ、十四松さんを……ご存知ですかっ!」
雪「!?」
彼女は少し息を切らした
雪は目が点になり固まってしまう
どうすべきだろう、隠すべきなのだろうか
いやでも突然話しかけてきてその名前を口にするのは……
もしかして黒の組織……!
雪「……貴方は彼の知り合いなんですか?」
「はい!って突然言われても仕方がないですよね!
コレを拾ったから……」
そういい差し出されたのは私と十四松とで撮ったプリクラだった
雪「!?、それ」
「!貴方で間違いないみたいですね、よかった人違いだったらどうしようかと思いました」
雪「!(しまった、つい反応しちゃった)」
こちらの困惑をよそに目の前の彼女はニコニコとしてみせた
正直、彼女に裏があるようには見えないしどこかで見たことがある気がする
彼女に問題のない程度で素性を¯明かすことにした
……但し偽名を伝えておいた
雪「……いえ、こちらこそ貴方を疑ったりしてごめんなさい。私の名前は、花と申します。
失礼ですが……どこかでお会いしたことありますか?」
「!、いえ私こそ……でもよかった、十四松くん今幸せなんですね」
雪「?、貴方は十四松の友達?」
「そんな感じです!証拠はあります!」
雪「!」
彼女が差し出したのは私が見たことあるプリクラだった
……今朝、玄関でみたものと同じものを
雪「あ、貴方って十四松の__!」
「彼女じゃないです!
……でも大切な人なんです!救って貰ったから、でもよかった、十四松くん素敵な人と__」
雪「……そうなんだ、って違う!
私はその……かっ彼女じゃない!」