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【おそ松さん】僕らが愛したのは君だけで

第17章 僕は辛いですか


十「ただいまー」

無言で帰って玄関先、結局十四松は着くまで一切喋らなかった

お「? あれ、十四松
早いじゃんなんかあったの?」
雪「!」

出迎えたのはおそ松だった
咄嗟に俯き十四松の背中に隠れる

お「……?なぁに雪ちゃん照れちゃって〜
十四松お前何したの__」

十「べつにーっ! あ、ねぇおそ松兄さん」
お「え?っちょ、じゅうしまっ」

十四松は半ば無理やりおそ松の背中を押して2人ともリビングへ消えてしまった

雪「…十四松」

彼なりの優しさが見えて嬉しいと同時に悲しくなる
考えてみたら、
私は確かに彼に対して蔑ろな扱いをしていたかもしれない。

なんとなく目を横に逸らし靴箱の隅を見た

雪「……あれ?」

暗い埃かぶった靴の集合体にひとつ明るい色の何かが落ちていた
気になり拾ってみると、それはプリクラの写真だった

雪「……誰のだろこれ?……十四松と、女の子?」

一瞬女の子とだからトド松かと思いきや十四松のツナギで彼だと理解した。隣には笑顔の女性がいる。

雪「へぇ十四松珍しい……ってこれってまさか」

先程カフェでした話を思い出す
最果て 彼女 好きだった人

日付も結構前

雪「十四松の言ってた子って、この人__」

可愛らしくて純朴そうな、素敵な彼女
彼女は恋をちゃんと知っているのだろうか

雪「……幸せそ」

私も普通に普通らしく過ごしていたら、こんなふうになれたのだろうか。羨ましいな。

雪「そういえばさっきのプリクラってどうし……」

持ってた鞄を探る、がしかし
どこを触っても突っ込んでも

雪「あれ、ない?あれ、まさか」

……落とした!?

折角撮ったのに、次いつ行くか、いやもうずっと行けなくなるかわからないのに落としてしまったのか!

雪「……あぁ」

部屋でプチ反省会しようかなぁとか土下座しようとか思いが巡らせる頭をおさえつけた

雪「十四松でさえちゃんと残してるのに、
いや馬鹿にできる立場じゃない」

でもまあ探して回収しないと、誰かにあのプリクラを見られて万が一私だとバレたら大変なことになる。

雪「……いくか」

十四松にあれだけ心の内を吐き出してもらったのに、こんなままじゃ顔向け出来ない。

くるりと玄関扉に向き直り雪は静かに開けその場を後にした。

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