第17章 僕は辛いですか
雪「!」
十四松はすっと雪の手に触れた
十「僕みたいに、大好きで……ずっと隣にいてたいって人」
雪「……!」
ギュッと彼の手に力が入る
まるでもうずっとこの手を離さないように
二度と。
私は十四松の言葉に感動を抱いた。
私は彼の思いに胸が揺れた、嬉しかった。
なのに、
雪「……っ」
何故か、怖かった。
すっと背中に冷たさを感じた。
十「雪……ちゃん?」
十四松も異変を感じたのか首を傾け心配そうに雪をみつめる
雪「っああその、ごめん……慣れなくて。」
十「!ごめん!!」
十四松はばっと手を離した。
違う、そうじゃない。だけれどそれでいい。
__きっとこれは気づかれてはいけない。
だって今更、言えないじゃないか。
愛という思いの重たさと、凄さに、
私には……荷が重いなんて。
雪「っごめんごめん!あ、カフェラテなくなっちゃったね!どうする?場所変えてどこかいく?」
十「で、でも雪ちゃん」
雪「あぁ私はいいからさ!そうだプリクラでもとりにいこっか、私奢るよ」
十「……うん」
十四松は顔を変え、カフェに来るまでのらしくない表情に戻り、彼はさっと会計をしに行ってしまった。
彼の心に傷をつけたこともわかってる。でも、
雪「ごめん、十四松……」
私には、好きもごめんも言えないよ。
仮に答えてしまったら、
今の関係が崩れてしまうなんて、私には、辛いから。
「あぁ、あなたは最低だ、卑怯者。」
そう誰かにまた言われたような気がした。
…
雪「……っあはははは!本当なにこれ!」
十「あはは!足太いね!」
さっきまでの空気はどこへ行ったのか、今はプリクラで最悪な写りになったものをみて笑っている
内容はよくあることで、
ありえないくらいに足が二人とも太くなったのだ
プレビューをみていると画面が変わり、高いテンションで人離れした声が部屋に響いた
「にゃんにゃんっ!猫になっちゃった!☆」
雪「あ、まだあるみたいだよ、ネコのポーズか……」
雪はにゃんっとてを招き猫のようにしてポーズをとった
十「……」
雪「?十四松〜もうすぐ撮られちゃうよー」
「もうすぐ撮るよ☆さーん……」
十「……き」
雪「え?」
「にーぃ☆」
十「好き!」
十四松に突然抱きしめられる
驚いて反応出来ず雪は間抜けな声を出した