第17章 僕は辛いですか
十「あ、あぁ……そっか」
雪「そうだよ」
十四松は安心して椅子に座った
……それにしても意外だな
失礼なことをいうと、十四松に彼女があった時期があって他のみんなは無いというのが珍しくてたまらない。
……まあ慣れてるトド松がいるけど。バレンタイン沢山貰ってたらしいけどあれはどうなんだろ……義理?
ていうかカラ松にもいたらしいけど皆あれはノーカンって言ってる。結婚までいったんじゃなかったけ?
……いやそんなこといったらチョロ松だってダヨーンの時に
十「?雪ちゃんどうしたの???」
雪「! ごめんごめん考えすぎた、……十四松その話詳しく教えてよ、気になるなぁ」
十四松はえっと慌てる
十「でも!俺……」
雪「無理にとは言わない、ただ……十四松が惚れた人のことを知りたくてね。兄弟口揃えていい人だったって言ってたよ?」
十「……!」
十四松はパァッと顔を明るくし、目をうるつかせた。
余程嬉しかったらしい
十「〜!スッゲェながいけどっ!聞いてくれマッスル!?」
雪「!……ハハッ、聞きマッスル」
十「!!その子との出会いはね……」
雪は十四松の話を楽しそうに話す姿に頬を緩くしながら、真剣に最後まで聞いた。
…
十「……それで、そのこはもう田舎に」
雪「帰っちゃったのか……」
十四松の彼女の話を出会いから別れまで全て聞いた
最後まで笑顔にしてあげる十四松、とんでもなく優しいな
イイヤツだなぁと微笑んでいると十四松が
十「〜〜っでも俺本当に雪ちゃんが好きでっ」
雪「わかってるわかってる!
……そんなに愛された彼女がいて、とっても素敵な十四松に好きって言ってもらえて光栄だよ」
十「っほんと?!……」
嬉しそうにする十四松に少し胸がチクリとした
たしかに嬉しい、光栄だ。
……だけどそんな十四松に愛されながら私は、恋そのものに悩み受け入れもフリさえもしない
__なんて酷いやつなんだろうか
十「!そーだ、雪ちゃんはいるの?」
雪「?いるって……何が?」
十「大切な人!」
周りに置かれたスピーカーから同時に音が鳴るように、十四松の言葉が自分に響いた。
__大切な人
それは今大切な人?……いやきっと十四松が言ってるのは
__今ではなく、昔 大切だった人のことだ。
雪「……大切な人、か」