第17章 僕は辛いですか
雪「(今日の十四松……明らかに変だな、それも出発してから)」
雪は十四松の異変にあっさりと気づいた。
朝はいつも通りだった筈だ。
誰かかわいそうなことがあれば少し俯いたりもする。それが十四松では普通。
だけど出発してからだろうか、全く十四松らしくない。
いつもなら目的地まで猛スピードになって駆け抜けるのに、今日はそれどころか私と歩幅を合わせた
失礼だけど、顔も普通だった。
言い換えれば……十四松らしくないとでも言おうか。
何があったのだろうと見ていると突然十四松は水をぐびぐびと飲み干した。
雪「(そんなに喉乾いてたの!?)」
十「みてて!」
驚く雪を放って、十四松はまた椅子から立ち上がった
__すると突然、十四松の穴という穴から水が吹き出したのだ。
雪「!?」
十「あびゃ〜〜」
目が点になる雪、尚も続ける十四松。
そんな十四松がおかしくて笑ってしまった。
雪「っ……あはははは!もーやめてよ!何するのかと思ったら……っあはははは!」
十「!!笑ってくれた!」
雪「笑うに決まってるじゃん!」
十「…良かった、本当に笑ってくれてたんだ……!」
雪「……?」
雪はまたすぐ察した
この言葉は私に向けられてない、と。
そこで謎が解ける。
さっきから変に変わってるのは全部……
誰かとここへ来てそうした自分の行動を
……確認したかったんだと
つまりこのカフェは初めてなんかじゃないんだ。
雪「……なるほど」
十「!?えっな、なに?」
雪「いやぁ?十四松が何考えてるか予想ついたから」
十「???」
首を傾げる彼にズバリ!と言ってやった
雪「十四松、昔、彼女とここに来たでしょ?」
十「!!!」
雪「それも……初めての相手!」
十「!!!!」
……図星。
頬にそう書いてそうな顔を十四松はした。
まさか初めての相手まで当たるとは……侮れないな自分!
雪「へ〜?詳しくお聞かせくださいな十四松?」
十「!!!その!でも今は雪ちゃんのことっ!」
雪「?大丈夫大丈夫、もう十分教えてくれたから」