第17章 僕は辛いですか
十「雪ちゃーん!」
雪「っわ!……てなんだ十四松か」
キョトンとする十四松に振り向き、そして確認して安心した。
いつもなら気配を感じるのに私らしくもない……そんなに思い詰めていたのだろうか。
十「ゆーきーちゃん?」
雪「っ、あぁごめん……なあに」
目の前に十四松が、しかもデートを楽しみに待ってくれている人がいるというのに私ったら……
髪の毛を緩めに横結びをして十四松に向き合う
雪「ごめんごめん!遅かったから迎えに来てくれたんだよね!……十四松?」
十「……うん!雪ちゃんも楽しみ?」
キラキラした瞳が私を見つめる
かわいいなコラ。
雪「〜!もちろんに決まってる!__から行こっか」
十「良かった!うん!」
さっと十四松が手を差し伸べる
今度は雪がキョトンとすると十四松が笑って
十「雪ちゃんはねー僕のお姫様!
もう知らないところで傷ついて欲しくないから……離さないで!」
どきん。
胸の奥が跳ねた。
__恋人役の……私の時のように
雪「う、うん……ありがとう」
ゆっくりと手を伸ばして十四松のてを握る
十四松は頼ってくれた嬉しさに口元が震えながら、歩み出した。
…
雪「ここが……十四松の来たかったところ?」
十「イエス!アイッドゥウウウーッ!」
十四松が連れて行ってくれた場所は普通の、変わらないカフェだった
お洒落なカフェ……
このお店は特に雑誌とかで見たことなかったけれど、落ち着いていてゆったりできる。
本当の穴場だ
ウェイターが暫くすると来て、とりあえず2人ともアイスラテを頼んだ。
まあ……その……それよりも
雪「……ずっと聞きたかったんだけど」
十「え?なに?」
雪「なんで今日は……ツナギなの?」
今日の十四松の服は家ではよく見る六つ子お揃いのツナギ
まさかデートで着てくるとは思わなかった
十「?だめだった……かな?」
雪「!そういうわけじゃ……その、意外だな〜って」
十「……そっか、僕__」
その後に何かを十四松は言ったのだが小さくて聞こえなかった
顔も暗い。いつもと様子が違う。
雪「十四松?」
十「え!?な、なに?」
雪「……あ、ううん。随分と暗い顔してたから気になったんだ」
十「俺してたの!?そんな顔!」
いきなり大声をだす十四松に驚く
十四松はハッとして椅子に座り直し大人しくなった。