第16章 機転
ア「……わお」
ヒ「マジで?
ていうかさっきから情緒激しくね?」
ア「わかる」
雪の様子を見て若干ひくアキラたち
そんな雪をガン無視して
雪はとびっきりの演技をする
雪「『仕方が無いよねぇ……
__だって私は生きたい』」
ガシャンッとリールガンをナイフに変える
半ば戸惑いを感じながら
おそ松とカラ松は苦笑いをした
お「ゆ雪……?」
雪「『ハハハ……ごめんね
恩を仇で返すことになっちゃった』」
ごめんねから全く反省はみせない
寧ろ……ワクワクさせる
お「……俺それでも雪ちゃんのこと好き
__殺されるなら本望かも」
それでもニンマリ笑むおそ松
……余裕をみせようと必死だ
雪「『カラ松もありがとう!
約束守れなかったね、ごめんね?』」
カ「……最後を世界一愛する人が飾ってくれる
__俺は嬉しい」
カラ松は優しく微笑んだ
本当にお人好しで素敵
座り込み覚悟を決めた二人の間に
雪はしゃがみ2人をぎゅっと抱きしめた
おカ「「??!!」」
雪「____。」
おカ「「っえ」」
驚いた表情を確認した雪は
すぐさまおそ松にナイフを刺した
お「!」
カ「……ゆ__」
雪「『バイバイ』」
カラ松にもすぐ刺して
2人とも前向きに俯かせた
だんだんと二人の服は
青は赤く染まり
元々赤かった彼は更に赤く
そうして動きは止まった
雪「……」
刃物は赤色だ
暫くその場は固まり
数秒後アキラは口を開けた
ア「……ッ流石プロソロアサシン!
__血も涙もないねぇ」
アキラは多少ビビりながらも
拍手を雪に送る
ヒジは黙って起爆装置のタイマーを止めた
雪「……はあ、アンタらのせいで無駄に疲れた」
ゆっくりとアキラたちに近づく
……刃物は出たままだ
少したじろぎながらアキラは笑む
ア「…は、なんだよ」
雪「私本当に疲れたんだよね
なんで何回も襲われなきゃいけないのか……」
ため息をつきながらまだ近づく
ヒ「……?」
雪「ねえホストさん」
ア「あ…?」
アキラの前で立ち止まる
雪「ホストさんあの時本気で欲情したの?」
ア「!__なわけねぇだろ
命令だよ
あぁそう鉄の棒入れてただけ」
初めて会ったときのアレは偽物か
……正直良かった
雪「ふふ、良かった、
……なら少しはマシかも」
ア「どういう意__」
雪「『ホストさんっ』」