第15章 end1 鮮やかな花
ア「ほら、好きな人なんでしょ?
見届けてやれよっ……!」
アキラは無理やりおそ松とカラ松を掴みあげ
雪のもとへ引きずった
お「(嫌だ!……認めるもんか!なんで!)い゛っ……あ゛ぁ!」
カ「(雪……なんでだ!何故そこまで……!)雪……!」
お カ((雪は自らを犠牲にばかりするんだ!))
雪「……師匠」
ア「さーて花岡理恵いつ飛び降りてもいいぞ?
なんなら制限時間ギリギリでもいい!」
この場でテンションが上がっているのは
アキラ彼1人だった
彼をおそ松とカラ松は睨みつける
そんな2人を一切見ずに雪はただ宙を見続けた
下には何人もの人
この起爆剤は一体どれだけ被害がでるのだろう
__師匠は今どこにいるのだろう。
雪「師匠……」
お「雪!」
カ「ゆ……きっ!」
2人の必死の叫びも
肝心の雪には全く届いてないようだった
雪「師匠……あたしずっと……貴方を……」
雪は決してこちらを見ずに
時限爆弾を抱えそのまま___飛び降りた
お「雪!!」
カ「!!」
ア「……やっとサヨナラだ花岡理恵!
__これで俺はもう……」
ヒ「……アキラ」
結果を確信し喜びに溢れた彼の2秒後
…
雪が命を落とす三秒ほど前のこと
雪「師匠、私……救えるかな」
体を支えていた固まりが消える
重力が体に押しかかるのを全身で感じる
この感覚を感じながら
雪はリールガンを刃物に変えた
雪「……神様、どうか私に最後の奇跡を」
祈りを込め
刃物を時限爆弾に向ける
__だんだん空が離れていく
神様
私に最期の素敵な思い出をありがとう
私にはちゃんとした愛を
理解することは出来なかったけれど
最後の最後に幸せなものとしれて私は
幸せだった
__だからもう他を巻き込みたくない
雪「……どうか私を__忘れないでね
……皆」
グサリと刺すと同時に
時限爆弾は起爆した
…
ア「……え?」
お「?!」
カ「なっ……!?」
愛する人は空中で消えてしまった
ヒ「?……俺まだ起爆スイッチ……
押してない……けど」
ア「どういう……」
今になればわかる気がする
俺もカラ松も……頭がおかしかったのだ
だって、愛する人が空中で消え
輝く赤色の光が
お「はな……」
カ「び……」
美しい紅色の花火にみえたのだから