第14章 予想外の奇襲
頭の隅で時間が減っていく音が聞こえる
59 58 57……
雪「……」
お「雪……?」
目の前に困惑しそして怯える2人が
目に映る
選択は……
私と監督さんマネージャーさん実森さん羽場さん……
ここで出会った人と私を守る為に2人を殺す
又は
おそ松カラ松……皆を素敵な彼ら達を
助ける代わりに自分とここで出会った人を殺す
どちらも大切で守りたいもので……
選べなんて無理だった
雪「わ、私は……」
監督さん達もおそ松達も関係ない人だ
監督さん達を選べば2人が死んでしまう
でも監督さん達を捨てれば
おそ松カラ松以外にチョロ松達も助かる
監督さん達を選べば2人だけですむ……
違う!違う!!
損得関係とかそんなじゃなくて!
2人だけの犠牲とかじゃなくて!
今私は……2人を殺そうとしてた?
しかも2人を殺すのは……
雪「私の手で……!」
監督さん達を助けたとしても私はその後ずっと
大切な人を……手にかけたことを……
背負っていかなければならない
雪「そんなの……」
お「雪!」
雪「……!」
おそ松が突然名を呼ぶ
顔を上げるとおそ松が笑顔で
お「……大丈夫だから」
そう言った
雪「そんな……」
何に対してかなんとなく察した
きっとおそ松は……
損得関係で考えることを肯定している
虫の息のカラ松もじっとこちらを見ていた
雪「……!!」
彼もにこりいつものように……微笑んだ
ぶわっと涙が溢れる
自分が殺されることを望んでる……!
雪「やだ……そんなのやだ……」
強いられた選択が重たくて
未来が怖くて……体が動かなくなった
ア「ありゃ?動かなくなっちゃった
んもーしゃーねぇなぁ、おい松野おそ松」
お「……!なんだよ」
ア「変な行動したら虫の息の松野カラ松も花岡理恵も殺す
今からお前の手錠を外してやる
今のうちに遺言でもなんでも話しとけ」
お「……!わかった」
ア「物分りいいね、ほらよ」
そういうとアキラはおそ松の手錠をといた
すぐさまおそ松は雪の元へ向かった
お「雪!」
雪「……?!おそ松……」
おそ松はギュッと雪を抱きしめた
雪「おそ松……」
お「なぁ雪……頼みがある」
雪「な……に?」
お「俺と……カラ松を……殺してくれ」
雪「!!」
彼の手は私の背中をギュッとしながら
……震えていた