第14章 予想外の奇襲
ミ「な、なにがありました?」
カ「……時限爆弾」
ミ「えっ?」
実森さんの声が低くなる
希望をもっていたのだろう
まさか希望が時限爆弾だなんて思わない
カ「あと……2時間」
ミ「えっう、うそ!?2時間……?!」
そう言ってる間にもどんどん時間は減っていく
ミ「いやだ……やだ!死ぬもんか、死ぬもんか!」
カ「! お、おい!」
ミ「やだ!壊れろ!……!」
実森が遂に暴走した
必死に手錠をガシャガシャと動かす
カラ松の腕と繋がっているため
思わぬ方向に動かされる自身の腕が痛い
カ「っ痛……おい!無駄だ!」
ミ「死にたくない!壊れろ!壊れろ!」
散々腕と手を動かした後
実森は疲れたのか動きを止め
息を荒くした
カ「……」
ミ「……ごめんな……さい
怖くて怖くて……考えてたら……」
カ「……大丈夫ですよ」
優しく返すと小さくありがとうございますと
返事が返ってきた
カ「しかし……止めるにも何も……」
時限爆弾の方に目を移す
見たところむき出しの起爆剤と
制限時間を無機質に表示する小さなスクリーンのみだ
ご丁寧によくドラマでみた赤か青のコードをきれ
順番にきっていけなどは無く
それ以外は真っ黒な箱で隠されている
無理やり開けたら見えるかもしれないが
よしておこう。確実に起爆するもとだ。
それに……
カ「この腕と手の状態じゃ……どうであれ無理だな」
ガチガチに縄で縛られた二人の腕
冷たい鉄の手錠
そして窓がなく電気が付いていない鍵のかけられた密室
騒いだとしても来るのは……黒の奴らだけだろう
いや普通に無視かもしれない
時限爆弾の発見以上にマイナスなことがありすぎる
ミ「……」
さっきまで暴れていた実森さんもピクリとも動かない
カ「くそ……こんなとこで終わりかよ……よりによって」
朝約束したばかりなのに
カ「……雪」
ふと雪の顔が脳裏に浮かび上がった
大切な、好きな……
愛している人の笑顔
ここで死ぬのは惜しいが
お前を裏切ることなく死ねるのはまだマシと思うしかない
諦めんとギュッと握りしめていた拳をといた
カ「……どうか幸せに、My Love」
諦めて目をつぶったその時だった
バンッ
雪「カラ松!」
カ「……!?」
眩いくらいに光が目に入ってくる
1度目を逸らしてからもう1度真っ直ぐ前を見た
カ「雪!」