第11章 それは突然に
ぴくんっとカラ松が身を震わせる
雪「私のことはもういいとして…カラ松くんまでばれてしまったら!」
カ「そうだな……いやでもバレても雪のことを守れば__」
雪「~~!///そうじゃなくて、私がかくまってることバレたら…皆が危ないよ」
きゅっとカラ松の手を握り訴える
カラ松はそのまま握られている手を寄せて私を抱きしめた
雪「っ__ちょっ…何」
カ「…すまない、確かに悪かった」
雪「…わかってるならいいよでも__ん?」
確かに?
雪「待って確かにって__わかってやってたの?!」
バッと顔をあげてカラ松を見る
少し演技に飲まれていた顔がとかれたのか笑って
カ「__演技がつらいものだとは思わなかった。
だって愛する人に何も___」
えっという前にくいっと顎を持ち上げられて___
マ「理恵ちゃーん?」ガチャッ
雪「ぎゃああああ!!!」ドンッ
カ「どわっぷ??!!」
驚いて思いっきりカラ松を突き飛ばす
カラ松は叫びながらすっ飛んでいった
マ「……?練習でもしてたの?」
雪「『そ、そうです、カラ松キスシーン初めてなようで!』」
マ「カラ松くんキスシーンあったっけ?」
カ「あ、が……な、なかっ……」
雪「『別のドラマらしいですよ!あはは!』」
心の中でごめんカラ松、と思いながら私はマネージャーさんを外に押した
マ「え、?え?なになに?」
雪「『そ、そろそろ私の出番ですよね!』」
マ「そうだけど……カラ松く」
雪「『後で呼びに行きます!』」
後ろでピクピクしているカラ松を横目に私はマネージャーを押して戻った
カ「が……あ……待ってくれ……雪_」
バタン
…
雪「『あ、ナオさん!こんにちは、今日は……』」
羽「『ああ……今日は、違うんだ……』」
相変わらず羽場さんはギャップが凄い
鋭いのに今は少し切なそうな顔だ
__やっぱり演技力は凄い
雪「『……じゃあ今日はなんのようなの?』」
羽「『……君は、僕とともに__』」
雪「『……!』」
羽場さんことナオはここでハナを抱きしめる
ハナは抱きしめられてドキリと胸をはねるのだ
雪「『ナオさ__』」
羽「『来てくれないかっ』」
雪「『え?』」
羽「『俺のもとに__来てくれないか』」
監督「カット!__いやぁ流石だねぇどちらも!」
パンパンッと軽快な拍手が響く