第10章 俺のこと見てよ*
お「_____酷いなぁ、雪ちゃん。」
雪「えっ……?」
目を閉じて夢の世界へ行こうとした瞬間だった。
おそ松兄さんの声が布団の中から聞こえた。
_瞬間
雪「ひゃっ?!」
雪の腕をおそ松兄さんが布団の中の方へ引き寄せ、雪は布団の中へと吸い込まれた。
途端に、口元に柔らかい、感触。
さっきと同じ少しかさついた感覚。
雪「(兄さん……の、唇?)」
数秒程そのまま停止し、ゆっくりと兄さんの唇は離れた
いきなり、月明かりも届かない暗闇の世界へ引きずり込まれ、何も見えなくなる。
そんな中もう1度また口元に柔らかい感触がした。
雪「ん……っ」
お「…………っはぁ、ねぇ、酷くない?」
暗闇の世界から兄さんの声がする。
どこに兄さんの顔が、手が、あるのかわからず混乱した。
そんな雪を無視して兄さんは話を進める
お「……さっきさ、言ったよね、妬いたって」
雪「!」
お「…なんでだよ……なんで俺以外の奴ばっか考えてんの……?」
雪「ちがっ……私はただっ」
お「ねぇ」
ダンッ__っと私の顔の両端に兄さんの手が振り下ろされる。
暗闇にだんだん目がなれてきて、兄さんの顔がはっきりと見えた。
お「告白したのに余所見するなんてさ〜……ズルイじゃん?」
意地悪な声と笑顔が、急に、
お「______俺のこともみてよ………」
雪「っ……」
切なく、寂しそうな声と、顔になった。
途端、兄さんの顔が迫ってきて、深く口づけられる。
思わず、んっと声がでた。
雪「……ん、ふ……はっ__ぁあ」
お「……へっ、エッロ……その顔」
あまりにも突然襲われ準備出来ていなかったせいかすぐ火照った
心臓もバクバクと鳴り響く。
布団の中で暗闇の中するキスは何故かゾクゾクとした。
お「……ん、ふ……なぁ、その甘ーいキス、弟にはともかく、今日の撮影で誰かとしたの?」
雪「……それは」
……した、けど…………羽場さんとしただなんて言えない。
誰とか聞かれたらきっと兄さん怒るだろうし…………
黙り込んでいると、
お「……へえ、言えないんだ」
雪「?!」
頭に直接キスの音が響いた。
……もしかして
雪「にーさ……やだそれっ……!」
お「耳弱いんだ?」
雪「ちが……んぁ!」
お「……違うのにそんな喘ぐのかねぇ〜」