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【おそ松さん】僕らが愛したのは君だけで

第10章 俺のこと見てよ*


そうして髪の毛も乾かしいざ準備万端となったところで、私は二階にいるおそ松兄さん以外のほかの皆が起きないようにそうっと廊下を歩き、階段を上がった。

雪「今日は兄さんと寝る日……」

少し胸がはねる

今日はおそ松兄さんにいろいろ変な対応をされた
あれはなんだったんだろうか?

顔が火照った感じがした

雪「……こんなこと考えてる場合じゃない。兄さん待ってるし、早く入らないと」

ハッと我に返りいつの間にか握り締めていた拳で小さめにノックする

___返事はかえらない

雪「……寝てるのかそれとも聞こえなかったのかな?」

もう1度ノックしてみるがやはり何もかえらない

雪「……あれだけ緊張させておいて…………寝ちゃったの?」

呆れて力が抜けるが少し笑えた

__いつものおそ松兄さんらしくていいや


……まあ、会って一ヶ月もたってないけどね

一応はいるよーと声をかけてからドアを開けた。


……スピー……スピー…………

規則正しい寝息とともに、暗い部屋にカーテン越しに月明かりが淡く照らした部屋が目に入った。

松野家は至って普通な一軒家だが、ここからみる月はとても綺麗だ
今日も月が綺麗だなあと頬が緩んだ。


雪はふう、と一息ついてドアをようやく閉めて、寝息の聞こえる敷布団の膨らみに近づいた。

雪「……兄さん、寝てる?」

小声で話しかけるが返事はない。
本当に寝てるようだ。

雪「……兄さん、子供みたい。」クス

掛け布団からひょっこり見える髪の毛を撫でて微笑んだ


ふと明日の予定を思い出す、明日は朝からじゃなくて昼からだっけ
今日ほどハードでは無かったな。

……もしかして今日の羽場さんも仕事疲れで私にあんなことをつい言ってしまったのかも。

今大人気の俳優が私みたいな過去がわからなくて怖い女性に手助けしたいだなんて言うわけないし。

雪「明日羽場さんに謝っておかないとな……後、心配してくれた感謝もしておかなきゃね」

おそ松兄さんを撫でながら独り言をぶつぶついう雪
時折、ん……と声を出す兄さんが可愛かった

雪「おやすみ兄さん」

雪はそーっと敷布団の端を掴んでサッと中に入り兄さんの少し出ている髪の毛を見つめた


……そういえば今日なんであんなに兄さん甘えてきたのか、聞けなかったな

ほんの少し心残りがあるが時間も遅い、寝よう。

目をとじた

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