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【おそ松さん】僕らが愛したのは君だけで

第10章 俺のこと見てよ*


目をそらしてしまう

まさか気づかれてしまうなんて……思わなかったな……

羽「……すいません、どうしてもそう見えなくて」
雪「いや、その、本当に演技ですよ?」
羽「……じゃあ何で、焦るんですか?」
雪「!」

手をぱしっと掴まれる

羽場さんも物腰柔らかそうだけどやっぱり男で、力が強い

雪「私は、別に……」
羽「僕、あなたの力になりたいです。教えて下さい。」
雪「……っ」

どうしよう、羽場さん本気の目だ……

ただ黙って彼は私を真っ直ぐ見続ける
どうしようもなく目をそらしていたその時


お「__お兄さーん?……俺の女に触んないで下さい」


私の腕に見覚えのある赤色がうつった
ガッと引っ張られて私は羽場さんから離れる

雪「おそ松……兄さん……?!」
羽「?!……女……?」

羽場さんは目をぱちくりさせる
待って、羽場さん勘違いしてる?

雪「ちょっ兄さん女って何言って!」
お「……」
雪「兄さん……?」

お「……んと…………なの……」
雪「……え?」
お「ほら、いくぞ」
雪「ちょっ待って!うわああ!?」

おそ松は少し低い声で私を引っぱっていった


羽「…………何だったんだ……今の」

羽場は困惑しながらもその場を後にした





雪「ねえおそ松兄さん!ねえ!」
お「……」

兄さんは私の声を無視してひきずる
腕を掴む力が強すぎて痛い

何度声をかけても無視で少しイラッときて

雪「っ〜兄さん痛い!!」グイッ
お「!」

思い切り腕をふって兄さんの手を振り切った

やっとこちらを向いてくれた
でも兄さんは……顔が暗い

雪「っ……私が約束したのに遅れたのは悪いと思ってるよ、ごめん、でも……何で無視するの」

掴まれて痛くなった腕を摩る
するとおそ松兄さんが

お「__ねえ、雪ちゃんなんなの?」
雪「え?」
お「……ズルいよ本当、俺、流石にやくわ…」
雪「……兄、さん……」

おそ松兄さんは私を怖がらせないようにか、ぎこちなく笑う
暗い中でもおそ松兄さんの目が潤っているのがわかった

お「だってズルイじゃん。俺、雪ちゃんのこと好きだから告白して、弟達に取られないようにしたのに」
雪「っ」

おそ松兄さんはぎゅうっと手を握りしめこちらをみる

お「気づけば弟達とキスだけかと思いきや最後までしてるし、今日は独り占めしようと思えばまさかの他人」
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