第10章 俺のこと見てよ*
すたんっ
屋上につき私は一息した
夜は人が多いから変装も少し凝る
……といっても眼鏡する位だけどね
雪「さてもう一回、下に誰もいないよね……」
建物の間にある細く暗い道を、目を凝らしてみる
……良かった、誰もいないようだ
もう一度私は小道に向かって撃った
リールがシュルシュルと音をたてる
下の方でカンッと音がしたのでわたしもおりた
上着が少しはためく
ちゃんとした姿勢を保ち私は降りた
雪「っはあ……いつでもやっぱ怖いや」
リールガンを引っこ抜いてリールを収めてバックにしまった
私は一息ついてスマホをだしLINNEを起動する
……おそ松兄さんからスタ爆されていた
雪「……仕事ってわかってやってるのか兄さん……」
呆れながら演技中だったらどうすんだ!と送った
すると
お<返事やっときた!お疲れ!!仕事長すぎ!)
(仕方ないでしょ!パチンコと比べるな!>雪
お<まーいいや、今から公園行く)
(うん、5分くらいだし待っててね>雪
局と公園までの距離は短い
ゆっくり歩いても間に合う
暗い夜道をでてスッと明るい通りにでた
雪「……わ、可愛いバック」
いろんなお店をチラチラみながら歩く
微笑ましいかわいい子供やあどけないカップル、
この通りにはいろんな人がいる
雪「……素敵だなあ」
ニコニコしていたらすみません、と声がした
雪「っ!(もしかして……バレた?)」
恐る恐る振り向くと見たことある顔がいた
雪「……あなたは、羽……場さん?」
羽「どうも……見かけたので……」
なんと声をかけてきたのは羽場さんだった
雪「どうして私に気づいて……」
羽「……ごめんなさい、そういうの気づいちゃうんです」ニコリ
花岡理恵にならなくてはならないのだが、あいにく疲れすぎて演じることが出来ない。
そのままで私は接した
羽「えっと、今日はお疲れ様でした」
雪「はい……演技素敵でした、凄いですね」
羽「いえそんな……でもありがとうございます」
雪「ふふ、羽場さんどうして話しかけてくれたんですか?」
ああ……と羽場さんは頬をかいて真っ直ぐ私を見た
羽「__今日のアドリブが、気になって」
雪「あ……」
羽場さんに気づかれて……た?
羽「あれって、本当にアドリブですか?」
雪「えっと……まあ……その」