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【おそ松さん】僕らが愛したのは君だけで

第10章 俺のこと見てよ*


羽場は雪の笑顔にドキリとする

流石一流の上といったところだろうか


雪「『……でも、私のために心配して下さってありがとうございます』」
羽「……!でも……」
監督「おーい理恵ちゃん!!」

羽場さんが何か言いかけようとした時丁度監督に呼ばれた

雪「あ、はい!……ごめんなさい、では」

呼び止められかけられたが雪は軽く手を振って駆けていった


羽「……あの顔は…………」ボソ

伸ばした手を引っ込めた







監督「はい、お疲れ様でした〜!」

雪「ふぅ……お疲れ様です!」
羽「お疲れ様です!」

気づけば撮影も終わり時計は午後11時終わりかけ。

朝からやってたんだ私……お昼そういえば食べたっけ

マ「理恵ちゃーん!!お疲れ様!!」
雪「わっ!?……ってマネージャー……」
マ「今日の演技良かったよ!監督さんが言ってた!」

疲れた私にマネージャーの大きな声
体中に響く

雪「マネージャー……声大きいです」
マ「だってだって!今日のアドリブ良かったじゃない!キス強請られて切ない感じ!キュンってきたわ〜♪」
雪「『アドリブ……良かったです』」

本当は自分の汚さに気づいて勝手に切なくなっただけなんだけどな……
アドリブとして受け取って貰えてたならいいかな……

マ「さあて今日はどうする?タクシー?」
雪「え、な、何がですか?」

いきなり帰り方を聞かれて驚く
いつも聞かれないのに……

マ「え?家持ったんでしょ?おくろうかなって」
雪「あ……」

そういえば家を持ったんだった
日にちがたっていたので気づかなかった

雪「いや、いいです。勝手に帰りますから」
マ「そう?わかったわ!先に楽屋に行って準備しておくわね!」

マネージャーはいつも私の変だと思うところがあっても聞かない
核心に触れることはないのだ。

優しいマネージャーなのだが考えてみると

雪「……ズルイ人だな、私」

ぽそりと零れた


羽「……」


そして楽屋に戻り差し入れもまとめて私はまた、屋上にきた


雪「わー……やっぱ綺麗だな……」

鉄柵の外側はいつも明るく綺麗な夜景で溢れている

仕事終わりの毎日のお楽しみのようなものだ


雪「……さて行きますか」

バックからいつもの銃を取り出して向こう側の建物に狙いを定める

カチッと音を出して私はいつも通り渡った
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