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【おそ松さん】僕らが愛したのは君だけで

第10章 俺のこと見てよ*


雪はいつもどおり仲が良いメイクさんに綺麗にしてもらった
この映画の女の子は、まだ風俗見習いさん。

メイクも何も手慣れてないけれどナチュラルメイクでも全然綺麗でその美貌に主人公が惚れて……という感じ

だから結構なナチュラルメイクなのだが雪自身の美貌は凄く周りの人たちを余裕で惚れさせた

周りのアシスタントさんににこりと微笑んでから雪は撮影場のベッドにとびのった

雪「わ、ふかふかだ♪」
監督「ハハハ!理恵ちゃんお茶目だね~」
雪「『えへへ!ダイブしたくなりますよねぇ』」

周りのスタッフさんが和んだところに羽場さんもやってきた

羽「えっと……お待たせしました」
雪「…!わ、」
監督「おお~やっぱり変わるねえ羽場くん!」

そこに現れた羽場さんはとても優しそうで照れ屋な彼じゃなかった。
狼みたいできりっとしてる。成程、世間の人たちはこのギャップにやられているわけか

少し目が霞んでやわくこすったその時


__一瞬だけ、羽場さんがアダルトショップでナンパから私を守ってくれたおそ松兄さんに見えた


雪「!?」

ぱちぱちと瞬きをしていると

羽「…?目にまつ毛でもはいったんですか?」
雪「あ、…『いや、羽場さんのギャップに驚いてしまって』」
羽「……!そうですか、嬉しいです」ニコリ

ああよかった、おそ松兄さんじゃない。
__羽場さんだ。


まあ兄さんなら絶対変なことしてくるんだろうな。
そんなことが浮かんで少し笑った。


監督「__じゃあ理恵ちゃん!!準備OKかい?」
雪「……__すぅっ……」


雪は一呼吸いれて目を閉じた。
なりきるんだ。変わるんだ。

お芝居の女の子、名前はハナ、__そして


__花岡理恵に。


雪「『はい、いけます。』」
羽「(……!雰囲気が変わった……!!)」


にこりと微笑んで雪は羽場を見つめた

羽場もお芝居にはいりこんで主人公に変わった

雪「(あ、羽場さんもモードにはいった……!)」


鋭い目がまた私を守ってくれた時のブチ切れた兄さんに見えた気がした


監督「__よーいっ!」

カンッ


耳に始まりの合図が響く中、雪は芝居に身を任せた
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