第10章 俺のこと見てよ*
__そして数十分後、マネージャーが雪のもとにきて、雪はマネージャーとともに撮影場へと向かった
マ「花岡理恵がはいりまーす!」
マネージャーがガチャッとドアを開けて撮影現場が私を迎え入れた
雪「あぁ……変わらなきゃ__理恵に」
雪はぽそりと呟いて花岡理恵に変わった
雪「『おはようございます!、……ご心配おかけしました』」
監督「理恵ちゃん!!無事かい!???」
雪「『はい!ご心配おかけしてすいませんでした』」ペコリ
撮影現場にてまず最初に私を迎えてくれたのは私にメールや電話など必死になってくれた監督さんだった
専用の椅子から立ち上がってばたばたとかけてきてくれた
黒ひげが広く、かけているメガネが揺れている
とにかく雪は深々と頭を下げた
監督「いやいや頭を下げないでおくれ!怪我はまだ残っているだろうに……本当すまない!」
雪「『いやいや!……でも本当ありがとうございます。あそこまで私を必要としてくれるなんて…』」
テレビでここまで私を必要として必死になる人は初めてだ
少し嬉しかったのは本当である
監督「そりゃあ理恵ちゃんだもん!可愛いからね!この役は理恵ちゃんだけだって決めていたんだから!」
そういい監督は台本をサッとだしめくって私の役である健気で可愛い風俗嬢、そこではハナって呼ばれてるのだがそこの名台詞で
「私をもっと貰って、愛して。」
その部分をみせられた
たしかにここは見せ場だ。頑張らないとな。
雪「『ふふ……ありがとうございます、今日この部分を撮影するんですか?』」
監督「そうだよ、お相手は最近大人気の羽場史朗くんだ!」
羽「え、えっと……どうも」ニコリ
先ほど挨拶に来て顔を真っ赤にした羽場さんが照れ笑いしながらぺこぺことする
私も羽場さんに少しペコリとした
雪「『そうなんですか!期待大ですね♪』」
監督「へっへっへ、それじゃあメイクしてもらってね!」
雪「『はい!』」ニコ
そういい雪はメイクさんに連れていかれセットしてもらった
__そして十分ほどたって……
雪「『監督、どうですか?』」
監督「いい感じ!!!さいっこうだよ理恵ちゃん!!!」