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【おそ松さん】僕らが愛したのは君だけで

第10章 俺のこと見てよ*


雪「『今回もありがたいですね……』」
マ「今回もまた多いわよね~、どう?全部みるの?」
雪「『今日もホテル借りて手紙を___…あ』」

違う違う
いつもなら読むためにホテルを借りて夜通し読んだりしたけれど

違う、今はもう家があるんだ。
ホテルなんか借りなくていい。

雪「……家あるんだった」
マ「あはは!変な言葉ねそれ!私も言ってみたいかも~」

お気楽にマネージャーさんは返してくれた。
こういうところ親切で私は好きだ

マ「……あ、羽場史朗くんからもお祝いきてるじゃない」
雪「…羽場史朗?」

いつもなら芸能人だろうがお祝い物に興味示さないのに今日は唯一マネージャーさんはそれだけを声に出した

マ「……あれ?知らないの?理恵ちゃん」
雪「『一切知らないですね』」
マ「最近スッゴク有名よ?なんと世間でイケメン俳優ランキング一位なの、今の大物凄腕若手俳優」
雪「『へえ……』」

私はそこらへん興味を示さないし芸人も殆ど知らない

テレビを今まで全く見れてなかったので新鮮味を感じる

マ「それに今回の映画の理恵ちゃんのお相手役よ?主人公」
雪「『え、物凄く悪いことした……』」
マ「理恵ちゃん本当に知らないのね!……まあ忙しいし知らないのも無理ないか。大丈夫よー?共演するのに祝ってくれてるんだし優しい人よ」
雪「『そうですか……ごめんなさい』」

私のために用意してくれた花束を彼に見立てて謝罪をした

マ「さて、と。私は暫く仕事があるから……そうね、30分後後またここにくるから現場に行きましょうか」
雪「『そうですね、ふぅ』」

またも私は腕を伸ばした

マ「そうだ、今日もまた挨拶多いと思うから備えときなよ?じゃあまたあとでね」
雪「『はい』」

パタンとマネージャーさんはドアを閉めた
外からパタパタと去っていく音が聞こえる

雪「さて、何をくれたのか見ようかな」

今日もいつもどおり祝い物を確かめてみた

高級チョコレート、焼き菓子生菓子、花束……たくさんある

なかでも一際目立っていたのはさっきいっていた羽場史朗……さんからの花束だった

女心というのか。
人が好きな色を知っているのだろうか。とても綺麗だ。

雪「素敵だな……羽場史朗さんだっけ、お礼しておかなきゃ」

眺めていると

コンコン

ノック音が響いた


雪「あ、どうぞ」

失礼しますと返事が返ってきた
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