第8章 それは青春のような*
十「……雪ちゃん。」
雪「どうしたの?……私悪いことした?」
十「…俺じゃないほうが、よかった?」
雪「えっ!?」
しょんぼりとした顔で彼は言う。
十「……俺じゃなくて、兄さんたちや、トッティーのほうが、良かったのかなって、思ったんだ。
……雪ちゃん寂しい顔してたから。」
雪「寂しい……顔?」
もしかして、さっきの胸の痛んだ時に……。
十「……ちゃんと笑顔にできるのは俺じゃないかなって」
雪「…もうんなわけないでしょ?」
十「へ?」
雪「ちゃんと私楽しんでるよ。野球楽しかったし…ていうか、運動なんて久々だったから凄いスッキリしたし__。」
十「……!」
雪「誰がいいとかじゃないよ。今は十四松と遊べて、私、
___楽しくて嬉しいよ。」ニコ
にっこり微笑んで、雪は十四松の頭を撫でた。
十「本当?」
雪「嘘つかないって。笑って?私十四松の笑顔、好きだよ」
そういうと、十四松はパァッと明るくなり、
十「~~雪ちゃん、好き!!早く川に戻ろ!!」
雪「うん?……ってもしかしてこの流れ__」
いう暇もなく、十四松は雪の腕を引き
十「どっせえええええええええいいいいい!!!!!!!」
思いっきり引っ張って走った。
雪「うぅう~~怖いぃ~~!!」
…
雪「美味しい~~♡やっぱ明太子いいねぇ」
十「俺のおかかもいいよ~?」
雪「本当~?えへへ~♪」
川岸で私たちはおにぎりをほおばった。
…やっぱり運動した後っていいよね。とっても美味しい。
十「あ、雪ちゃんご飯粒ついてるー!俺も俺もー!」
雪「え?どこに___ってはははっ!!ちょっと待ってタンマ!!」
十四松はなんとおにぎりを顔に擦り付け、
顔中ご飯粒まみれになった。
しかも何故か穴という穴から水出てるし。
雪「ちょっと待って本当駄目!!ははははっ!!」
十「あびゃーーー」チョロチョロ
いきなりは駄目でしょ本当!!
ていうかどういう構造なの!?やめて!!
雪「もっ駄目っ顎外れるっひゃははははっ!!!」
十「…えへへへ、笑ってくれた~♪」
雪「……私を笑わせてくれたの?」
十「うん!俺、雪ちゃんが笑ってるの、大好き!!!」
あぁもう、本当優しいな…
雪「…ふふ、ありがとう」
十「へへへ~!あ、雪ちゃんご飯粒」
ひょいっと私についたご飯粒をとる。