第8章 それは青春のような*
十「いつもバットに一松兄さんつけて振ってるよ~!」
雪「さすがっす」
一松つけてか……それ一松吐かないのかな……
十「ねーねー俺お腹空いちゃった~何か食べよ??」
雪「いーよ。私も疲れてきたし。近くにコンビニあったよね」
十「うん!俺案内したげる!」
雪「わかった。じゃ行こーか♪」
十四松は手汗をズボンでふいてから、ん!と手を出してきた
雪「……あ、ちょっと待ってね。ハンカチハンカチ」
さすがに、一松のズボンで拭くわけにはいかないので、
ハンカチをとりだし手を拭いた。
雪「……はい、いこっか♪」ギュッ
十「えへへ~♪」
私たちは仲良くコンビニへと行った。
…
雪「すすすスイーツやで~」
十「わっそれ言わないでよ~!」
私たちはおにぎりとシュークリームを買って
もといた川へと歩いて行った。
さっき、そのシュークリームを選ぶときに十四松が
雪「あ、ケーキおいしそー!」
十「すすすスイーツやで~」
雪「え?」
十「あっこれ兄さんの__違うよっ?これはっ」ワタワタ
雪「関西弁??ふふっエセだよそれー!」ケラケラ
十「うわああああ!///」ワタワタ
…という一連の流れがあったわけである。
そのエセ関西弁が面白くて、私はいじっているのだ。
雪「あれ面白すぎだったよも~!!あははっ」
十「……恥ずかしい、でも……」
雪「?どうかした?」
十「…雪ちゃんがいっぱい笑ってくれるなら俺嬉しいや」ニヘ
雪「んなっ?!///」
あぁ…、そうだった。
十四松も十四松でいろいろ天然だった。
雪「……私の負けだわ。」
十「そーなの?やったー!」
うん、と言いながら雪は十四松の頭を撫でた。
十「えへへ~雪ちゃんのこと大好きっ」
雪「そっか~♡私も好きだよ~」ズキンッ
ズキン……?
何で胸が痛むんだろう?
十四松の”好き”はあっちの意味じゃないんだから。
こういう対応でいいんだよね?
好きって言われすぎて感覚が変になっちゃったのかな。
………変なの。
少し寂しげな気分になった雪を
十四松は見逃さなかった。
雪「__っ、十四松?」
突然十四松は立ち止まった。
雪「…大丈夫?」
十四松のもとにかけよる。
俯いたまま、微動だにしない。
雪「十四松…?」