第8章 それは青春のような*
十「ん?」
雪「…えっと、食べちゃだめでしょ」
十「……うん」
パッと十四松は離れる。
…ちょっとだけ湿っている。
雪「あらら、自分のパーカー舐めちゃうって何してるの」
十「ん~、よくわかんなかった。」
雪「…体臭知るために食べたの?」
十「うん」
雪「…そっか」
どうやら必死になりすぎて味で知ろうとしたらしい。
__面白いなぁもう。
雪「自分の体臭知りたくて食べちゃうなんて何やってんのさ」
十「…俺の味はわかんなかった~……でも」
雪「でも?」
十「……雪ちゃん美味しかった!」
雪「なっ!?///」
ニッコリと十四松は微笑んだ。
どうしよう、十四松はわざとも悪さも無いので純粋にしてるから
怒れないし言い返せない。
十「…また食べたいかも」
雪「な、何言ってるの!///」
十「そーだ、次は服はまずかったし直接__」
雪「それ以上言わない!」
何か凄いことを言われそうだったのでのびきった袖で
十四松の口を押さえた。
十「んー???」
雪「えーっと~~あ、行こっか!そう、野球するんでしょ?」
十「ん!!」コクコク
雪「うん、よしっ行こうね!」
ガシッと十四松の手を掴む
雪「…あ、案内してね勿論。」
十「アイアイサー!!!!」
そういい十四松はびゅんっと雪を連れていった。
雪「……うう、やっぱり十四松の連れ方怖いよ」
…
雪「行くよーーー?」グンッ
十「う~ヨイショーーーー!!」ブンッ
カキーンッ
雪「うおっ~飛んだね」
十四松は叫びながらボールを取りに行った
連れてかれたのは川の近くだった。
少し原っぱがある。
周りを見ると結構子供がいた。
私はピッチャー役。
力はないけど瞬発力で何とか補った。
でも男の力にはかなわないや
雪「…駄目だ。流石にかないっこないや十四松」
十「えー?でも強いよー?チョロ松兄さんよりは!」
雪「そうなの?まぁ良かったよ」
久々にちゃんとした運動したかも。
雪「ふはぁ~~疲れるけど楽しいね」
十「そう?良かった!!」
十四松はさっきからよく飛ばしてる。
毎日十四松はバットを振ってるってさっきいってたけど
どれくらい振ってるんだろう?
雪「ねー十四松、どれくらい振ってるの?いつも」
十「……いちまん?」
雪「わお」
そらぁ……よく飛ぶわ。
雪は感心した。