第8章 それは青春のような*
雪「……あぁ、朝からあれ流すなよなぁ……」
ニュースをあれほど恨んだのは初めてだ。
一人で見てるならどうでもよく感じれるけど、
今は皆がいるからなぁ……恥ずかしい。
雪「……思い出すな自分。昨日のこととか全部……」
雪はフラッシュバックする夜のあの事を頭から消すように、
コンコンと頭を叩いた。
消えるハズもないけど。
まぁでも落ち着いたっちゃ落ち着いた。
うーん…でも、勢いで出てしまったし。戻るのもなぁ……
雪「逃げたはいいけどどうしようかな……」
辺りを見てみる。
あ、……洗面所
雪「そういえば顔洗ってないな…」
十四松に無理やり下につれてかれたから洗えてないんだった。
ついでに顔洗っていこうそうしよう。
私はドアノブに手をかけた。__すると
一「……!?」
雪「…わお」
い、一松……だ…
いや、驚くことじゃないけど、いつの間に洗面所移動してたの?
私、外でた時は皆のところにいたよね。
一「…何驚いてんの」
雪「…お互い様。…いつ移動してたの」
一「アンタが…何か頭を叩いてた時」
雪「…マジか」
そして、沈黙。
この空気どうしよう。それ意外頭に無かった。
…とりあえず、私は顔を洗いにいかなきゃ。どいてっていおう。
雪「あ、私~顔洗いたいから~♪どいて~…」
一「…。」
…いっこうにどいてくれる気配は無い。
雪「…意地悪しないでよ~♪ねぇ~…」
一「…。」
流石にここまで無視されるのは心折れるなぁ…
雪「ねぇ、せ、せめて何か言ってよ。一…松…」
一「…。」
…なお、変わらず私を見下ろしてくる。
…流石に怖いしキツイよ。
雪「悪いことしたなら、あ、謝るからさ…ね…一…松…」
一「…はぁ」
雪「…ん?」バッ
ため息に反応して雪は下に落ちかけていた顔を上げた。
一「…まぁ、いいか……」ボソ
雪「い、今、何と?」
一「本当アンタ何も考えてないんだな。」ガシッ
雪「へっ__」グッ
雪は一松に洗面所へ引っ張られた。
…
ト「みーちゃった。みーちゃった。」
廊下が騒がしいから起きてみたけど、
雪ちゃんかわいそ~
雪ちゃんにはわかんないだろうけど、
…一松兄さん結構悪巧みしてた。
それに口の端が少し上がってたし…
よっぽど悪いこと考えてんじゃないかなぁ…
ト「一松兄さんの嫉妬だろうけど」