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白いアリスは彷徨う

第17章 寒い












翌日の夜中。






怜は先日いたビルよりも低い屋上にいた。











怜「・・・キャンドルがやっぱり見えやすい。」







怜がどの角度で撮ろうかと悩んでいた時だった。




















パァンッと銃声が聞こえた。



耳を澄ませていると、もう一度、パァンッと銃声。








音のした方のビルに跳ねながら向かう。




嫌な、汗だ。
















着いた時には、倒れている人しかいなかった。


人の下には沢山の紅。









怜「・・・十束多々良・・?」





あぁ、嫌な予感が当たった。

心が冷えた感覚に陥った。








怜「十束多々良!」



怜は慌てて近寄る。


十束「・・・君は・・?」






意識がまだある。
しかし、この出血量だと助からない。



急いで止血に入る。



十束「ははっ・・・・優しい人だね・・・。」


ドクドクと止まらない血。
どんどん顔色が悪くなる。




怜「・・・ダメ。」



死んじゃダメ。









生きて。












傷口に触れていた方の手が突然光った。





自分の手が光るなんて今までになかった事で、怜は驚いた。




フッと光が消えると、傷口はなくなっていた。



十束多々良の顔を見ると、彼は気を失っているようだった。






怜は十束多々良を抱えて柵を飛び越える。



後ろを見れば、自身の手についていた十束多々良の血がポタポタと落ちていた。





怜はそのまま、他のビルに飛び移る。




十束多々良の端末とカメラ、いつの間にか外れていたピアスをその場に忘れたまま。









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